在職中の振り返りにも使える道具
厚生労働省はジョブ・カードを、在職者が経験から得たことや強みなどを整理し、今後のキャリアを考えるためにも使えるツールとして紹介しています。転職の応募書類を整える場面だけに限らない位置付けです。
職場で案内するなら、何のために作成するか、誰にどこまで見せるかを先に伝えます。個人が考えを広げるためのメモと、人事へ提出する資料を混ぜないようにします。本人が全てを上司に話すことを前提にしない準備が必要です。
肩書の横に、行ったことを書く
ここでは編集部の整理例として、担当した仕事、工夫したこと、得たものの三つを置きます。例えば社内説明会の運営を担当したなら、日程をそろえたこと、参加者の質問を整理したことなど、自分が行った作業から書き始められます。
その経験が大きな成果だったかを先に審査する必要はありません。いつも行っている仕事にも、覚えたことや続けたいことがあります。一方、チームの成果を全て本人の成果へ置き換えず、担当した部分と他の人から受けた支援を分けます。
管理者が手伝う場合は、本人の代わりに「あなたの強みはこれ」と結論を書かず、思い出す手がかりを尋ねます。どの作業に時間を使ったか、何を確かめながら進めたか。本人が話したくない私的な経験まで求める必要はありません。
先の希望は、仮のまま置ける
経験を振り返った後で、もう少し続けたい仕事、新しく知りたい仕事を書いてみます。「人へ説明する仕事に関心がある」など、まだ職種名になっていなくても構いません。その希望を、異動が決まった記録へ書き換えないようにします。
会社として用意できる経験があるなら、本人の関心と照らして相談します。見学する、担当者に話を聞く、一部の仕事を経験するなど、次の情報を得る方法も考えられます。正式な配置や処遇の決定は、職場の手続きとして別に扱います。
メモは一度で完成しなくても使えます。後で新しい経験が加わったときに書き直せるよう、本人が読み返せる場所と扱いを決めておきます。