講師へ渡す材料を決める

JICAの研修ファシリテーションの案内は、事前の打ち合わせで研修員の関心、抱えている課題、起こしたい変化を確認することを勧めています。職場の研修でも、その視点を参考に、説明する側と受ける側の材料をそろえる準備ができます。

事前質問の用途は、研修の事例を選ぶ、用語の説明を調整する、質問の時間を用意するなどに絞ります。集めた内容が何に使われるかを案内し、回答が人事評価へ渡るのか分からない状態にしないようにします。

「何を学びたいか」を小さく聞く

編集部の問いの例なら、「今扱っている作業」「その中で説明を聞きたい場面」「研修で確かめたいこと」の三つです。専門用語を知らない人にも、仕事の場面から答えてもらえる形を考えます。全部を長文で埋めることを求める必要はありません。

例えば表計算の研修なら、「応用を学びたい」だけでなく、毎月届く一覧をまとめる際にどこで迷うかを書いてもらえます。実際の顧客名や社外に出せないデータを添付させず、必要なら架空の例へ置き換えてもらいます。

まだ仕事を経験していない人は、何が分からないかも答えにくいかもしれません。想定する業務の例を示し、まず知りたい項目を選べるようにする方法があります。質問が空欄であることを、学ぶ意欲がないと決めつけません。

集めた後の返事まで用意する

届いた質問は、共通の疑問と個別の相談を分けて整理します。研修の範囲を超える制度や人間関係の相談は、本人へ適切な窓口を案内し、講師へ必要以上の情報を渡さないようにします。

講師には、受講者がどんな作業を想定しているかと、どの問いを扱いたいかを伝えます。全ての要望に応じられると約束せず、当日扱うもの、別資料で案内するもの、今回は対象外のものを確認します。

受講者にも、質問をどう扱う予定か短く返せます。事前アンケートを提出したままで終わらせず、当日の案内に結び付けるためです。研修の後に集める感想とは別に、内容を準備するための入口として使います。